2022年10月1日に、アントニオ猪木さんが79歳で亡くなりました。
私にとっての「アントニオ猪木」(以下敬称略)という存在は、元祖プロレスラー兼破天荒な政治家。
小さい頃は、TVの中で赤いタオルを首から巻いてマイクパフォーマンスが派手なプロレスラーという印象。大人になってからは、北朝鮮との関係改善に務める異色の政治家さん。
闘病中のアントニオ猪木さんが残したモノ
「元気があれば何でもできる」という言葉とともにたくさんの人にビンタをして、ビンタされた人が笑顔になるという不思議な現象が起きるのも猪木さんだからこそ為せる技ですよね。
とはいえ、アントニオ猪木さんについての知識なんてこんなもんで、どちらかというとYouTubeチャンネル「最後の闘魂」で闘病の様子を発信していた猪木さんが私にとっての”最高にかっこいいアントニオ猪木”です。
体調不良のパートナーの視点
私というよりも、パニック障害後遺症(離脱症状)で長い間体調不良のパートナーが、アントニオ猪木さんの動画をずっと観ていました。
彼いわく、
猪木さんがどんな意図で、闘病中の自分の弱った様子を動画配信していたのかはわかんない。
きっと、弱いところも含めて人間の生きる姿を見せてくれたり、最後まで諦めずにいることの大切さを、自分の姿を通して伝えてくれたんだと思う。
でも、最終的には視聴者各々の受け止め方によって違うはず。
今健康になんの問題もなかったり、幸せだったり、順中満帆な人にとっては、猪木さんの動画を観ても「あんな元気だったのに」とか「かわいそうだな」「頑張っててすごいな」とか、そういう感想を持つと思う。
自分も、もし普通に元気だったらその程度にしか感じないかもしれない。
でも、自分は健康面に不安があって生きるのも辛いと思うことが多い中、猪木さんが難病で寝たきり状態のこんな状況でも動画を撮って喋っている強さにたくさんの勇気をもらった。
猪木さんからのメッセージを自分たちがどう感じて、どう活かすか、何を学ぶかが大切だよね。
一時期は「自分は死ぬかもしれない」というような状態で毎日を過ごしていたパートナーにとって、アントニオ猪木さんの生き様というのは心に響いたんだと思います。
最期の動画で残してくれたモノ
2022年9月21日。アントニオ猪木さんが亡くなる10日前に撮影された最期の動画。
喋るのもままならないようなガリガリのやせ細った姿で、みんなの前でアイスのガリガリ君を食べるという、誰も真似できないような最高のメッセージを残してくれた猪木さん。
猪木さんがこれまでに残してくれた名言を振り返ると、自身の人生をかけて言われていたことを有言実行したんだなぁと、改めてすごい人だなぁと感じました。
そしてこの動画を観ていて驚いたのが、アントニオ猪木さんの最後の動画の撮影をされていたのが昔お会いしたことのある方だったこと!
数年前、私が「マツコの知らない世界」に出演させてもらったときのプロデューサ−をされていた「坂田栄治さん」という方が、このアントニオ猪木さんの動画を撮影されていました。
私は坂田さんとはたった一度しかお会いしたことがなくて、しかも収録現場で一瞬ご挨拶させてもらっただけの関係なので、坂田さんは私のことなんか当たり前だけど覚えていないはず。
ただ、私にとっては坂田さんはとても記憶に残っている方です。
マツコの知らない世界の収録後日、撮影中にいろいろお世話になったお礼として、担当してもらったADさんやデレクターさん、そして坂田さんにちょっとした贈り物を送ったんです(パートナーからの「お世話になったらすぐにお礼をすること!」というアドバイスのもと)。
そしたら坂田さんからすぐに電話がかかってきたんです!
毎日たくさんの仕事関係の人とやり取りしたり、絶対に絶対にめちゃくちゃ多忙なはずなのに、こんなド素人のたった一回会っただけの私に時間を割いて電話をくださって、なおかつ「もし東京に来ることがあったら遠慮なく連絡してくださいね!」という優しい言葉をかけてもらった私。
「あーー、人に好かれる人ってこういう人なんだろうなぁ。人間力がある人ってこういう人のことを言うんだろうなぁ。」
と感動したのを覚えています。
そんな坂田さんが、アントニオ猪木さんの最期の動画担当として猪木さんから声をかけられたというのを知ってすごく納得しました。
最期の弱っている姿で会って話して最後の意思を伝えるという相手に、坂田さんが選ばれたということは、ほんの少しだけど坂田さんのことを知っている私としてもとてもとても嬉しいことでした。
まとめ
これまでぬるま湯のような中で生きてきた私にとって、アントニオ猪木さんの名言は、自分にはまだまだ遠く手の届かないレベルのもので、目標でもあり、そういう人間になりたいと思う憧れでもあります。
自分の襟を正すためにも、改めてアントニオ猪木さんの名言をまとめてみました。
アントニオ猪木さんから学んだことを、今度は私が人にしてあげられるように、人に対して厳しくもあり優しい人になれるように生きることがきっといいんだと思う。
42歳の今、パートナーはいるけど結婚してないし、子供もいないし、これといったことも成し遂げてないし、これからどういう風に生きるべきか迷いがちだけど、危ぶめば道はない。
自分のためじゃなく、人が喜んでくれることを与えられるような人間になるために、一歩一歩進もう。まずは、闘病中のパートナーが笑顔になるために、最後にガリガリ君を食べるくらいのユーモアを持ち合わせた人間になろう。猪木さんありがとうございました。
アントニオ猪木さんの名言
- 『道』
この道をゆけばどうなるものか、危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし、踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ 行けばわかるさ。 - 一生懸命やっている人を小馬鹿にするのは、自分がかなわないから笑うことで逃げているのだ。
- 俺は人が喜んでくれるのが、生きがいというか喜び。
- 元気が一番、元気があれば何でもできる!
- 馬鹿になれ とことん馬鹿になれ 恥をかけ とことん恥をかけ かいてかいて恥かいて 裸になったら見えてくる 本当の自分が見えてくる 本当の自分も笑ってた それくらい 馬鹿になれ